スポーツ障害を予防することの難しさ

ATCという仕事は、障害に対するリハビリテーション、障害の評価、障害の予防、治療介入など多岐にわたります。それぞれで高い質を求められており、今では大学院を卒業しないと資格取得出来なくなりました。

NATA web site.

https://www.nata.org/about/athletic-training

先日WFATTというカンファレンスに参加し、早稲田大学の広瀬先生のお話を聴講させていただきました。アスレチックトレーニングの分野で研究においても現場においても第一人者でおられます。なでしこジャパンのアスレチックトレーナーとしても有名です。

広瀬先生が強調しておられたのがスポーツにおける障害の予防エクササイズ「プリハブ」の重要性でした。

現在日本でスポーツに取り組んでいる子供は65万人いると言われていますが、そのうち怪我をして練習を休まざるを得なくなった経験のある子供は23万人と言われており全体の36%に上ります。

スポーツを楽しんでいる大人であればいずれ治るだろうで済みますが、中学や高校など3年間という時間制限のある学生にとって長期間の離脱はかなりショックでしょう。

そんな中、近年「予防」という分野での研究が進んでいます。

まず、van Mechelenによると予防するためには4つのステージがあると言われています。

van Mechelen W, Hlobil H, Kemper HCG. How can sports injuries be prevented? Nationaal Instituut voor SportGezondheidsZorg publicatie nr 25E, Papendal,1987

近年と言いながらいきなり古い論文ですがスポーツ障害予防の原理原則が詰まっています。

1.スポーツで好発する傷害の「発生率」「重篤度」

各スポーツには「特異的」な動作があり、それによって発生する障害もまた「特異的」です。水泳では肩を痛める選手が多い中、サッカーではそれほど多くありません。そのため、サッカー選手に肩のプリハブを実施しても、無駄とは言いませんが優先順位は低いはずです。

水泳とサッカーならわかりやすいですが、テニスとスカッシュで発生する障害も違うそうです。(Easterbrook 1982; Pforringer & Keyl 1978, Kulund etal. 1979)

対象となるスポーツではどのような障害が発生しているのか。それを知らずしてプログラムの作成はありえません。

2.対象となる傷害の「発生メカニズム」「発症要因」

なぜその傷害が発生しやすいのか。そのメカニズム、発生要因に関して考えます。

例:股関節外旋筋の弱化→股関節内旋→膝の外反ストレス→ACL損傷

3.対象となる傷害の「予防プログラムの確立」「介入」

発生要因・メカニズムを考慮した予防プログラムを作成、実施。

例:ACL損傷予防のために、弱化している股関節外旋筋を鍛えよう!

この時、どれだけ素晴らしいプログラムを作成したとしても、徹底できていなければ全くの無駄です。徹底することは重要であり、難しくもあります。

4.予防プログラムの効果検証

そもそも、実施されたプログラムの介入に効果があったのか、検証されなくてはいけません。検証するためには事前の問診やスクリーニングが必要ですし、場合によってはテストをしなくてはいけません。テストをするのであれば何をテストするのかを吟味する必要があります。しかし、現場においてはほとんどの場合がやりっぱなしになっているのが現状かと思います。

現在、特にメジャースポーツにおいては様々なプリハブが発表されており、サッカーの11+はその典型例です。

https://www.jfa.jp/football_family/medical/11plus.htmll

にも拘わらずスポーツの傷害は増えているのが現状です。なぜなのでしょう。それについては次回書きます。

今日の一日一新

・鶏むね肉用のソース、香味ダレ作成 ☆☆☆★★

・アマゾンプライムで新海誠アニメ「秒速5センチメートル」、

・アマゾンプライムで是定監督「万引き家族」

今日の子供日記

・長男の動画が面白い!2か月前よりボキャブラリーが増えてて成長を感じます。

・次女の動きも面白い!生物の成長の原則どおり。体幹からモゾモゾ動かせるようになってきました。次は体幹を安定させた状態からの四肢の動きが見られそうです。

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