ピーキングの成功パターンと失敗パターン

このように練習量(黒)を下げていくと体力(青)も同時に下がります。変化のスピードの速い疲労(黄)はもっと早く下がります。疲労の下がったところと、体力の下がりが最小限の部分でパフォーマンス(赤)が最大になり、そこに試合(緑)が重なればピーキング成功となります。

典型的な失敗例としては疲労が抜けきらないまま試合を迎えてしまうこの状態です。これが起きてしまう要因としては、体力要素は短期間での急激な向上が見込めないにもかかわらず、直前に強化合宿などを入れてしまうパターンが考えられます。超回復理論的な考え方のみで考えると一見間違いのないように思えますが、それだけでは不十分であることが理解できるかと思います。

もう一つ頭にいれておかなくてはいけないのは、疲労が抜けたとしても体力が落ちている場合はピーキングが失敗してしまうパターンもあるということです。この状況として考えられるのは、テーパリングに入るまでのトレーニングが不十分で疲労が蓄積していないにも関わらず、トレーニング量を減らしてしまうことが考えられます。また、テーパリング期間にテストなどが入ってしまい、徐々にトレーニング量を減らさなくてはいけないところを、急激に減らしてしまい、体力が落ちるパターンも考えられます。この状態になってしまうと、疲労は完全に抜けているのでパフォーマンスを上げるには体力を向上させるためにトレーニング量を増やすしかありません。しかし、トレーニング量を増やすことは疲労が溜まることを意味するので、この状態になってしまったら、体力レベルを上げてピークを出すのに数週間必要になります。

ピーキングについて④に続く

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