体力要素の違いによる体力、疲労の蓄積の違い
何をトレーニングしたかによってその効果の残存期間が異なることが分かってきました。ブロックピリオダイゼーションを提唱したIssurin博士は有酸素性持久力は最もトレーニング残存効果が高く、1か月程度残るそうです。一方で無酸素性持久力は18日程度。最大スピードは5日程度残るとのことです。
ピーキングのためのテーパリングの著者である河森博士は、この研究結果をフィットネス疲労理論に応用してある仮説を立てました。有酸素性持久力の残存トレーニング効果が長いということは急性のトレーニング効果は少ない。そして、急性の疲労の変化は小さく変化のスピードは遅い。一方で最大スピードの残存トレーニング効果が短いということは急性のトレーニング効果は多い。そして、急性の疲労の変化は大きく、変化のスピードは速いのではないか。河森博士本人は著書でIssurin博士の研究結果が英語論文で寄稿されていないため、あくまで仮説の域をでないとしていますが、この結果は現場で指導している感覚ともリンクしているように思います。
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トレーニング効果の変化をグラフで表すと
疲労の変化をグラフで表すと
このようになるかと思います。つまり、体力要素ごとに独自の体力と疲労があり、その変化のスピードと変化量は異なるということが予想されます。そうなってくるとピーキングのための戦略はさらに複雑になってくると同時に、いい意味ではトレーニング計画を立てるための指標の一つになりうるということが考えられます。
ピーキングについて⑤に続く