血液検査で「ALT(GPT)」が高いと言われたら?~原因と対策を分かりやすく解説~

皆さん、健康診断や人間ドックで血液検査を受けたことはありますか?結果票にはたくさんの項目が並んでいますが、その中に「ALT」という項目はありませんでしたか?

もし、この項目で「高い」という結果が出ていたら、「何か悪い病気なの?」「どうすればいいの?」と不安になるかもしれません。

今回は、血液検査の項目の一つである「ALT」について、その意味、考えられる原因、そして日常生活でできる対策について分かりやすく解説していきます。

1. ALT(GPT)って何?何を表しているの?

ALTは「アラニンアミノトランスフェラーゼ (Alanine Aminotransferase)」の略称で、以前は「GPT (グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ: Glutamic-Pyruvic Transaminase)」と呼ばれていました。現在でも、医療機関によってはGPTと表記されている場合があります。

ALTは、主に肝臓の細胞に多く含まれている酵素です。肝臓の細胞が何らかの原因で壊れると、血液中にALTが流れ出し、血液検査での数値が高くなります。

つまり、ALTの数値が高いということは、「肝臓がダメージを受けている可能性がある」というサインなのです。

2. ALT(GPT)の基準値は?

血液検査の結果票には、基準値が記載されていると思います。一般的には、男性で30 IU/L以下、女性で20 IU/L以下程度が目安とされていますが、検査機関や年齢、性別によって若干異なる場合があります。

ご自身の結果票に記載されている基準値と照らし合わせて確認してみましょう。

3. ALT(GPT)が高い場合に考えられる原因

ALTが高い場合、様々な原因が考えられます。主なものを以下に挙げます。

  • 肝臓の病気:
    • 脂肪肝: 肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態。肥満、アルコールの過剰摂取、糖尿病などが原因となることがあります。
    • アルコール性肝障害: 長期的なアルコールの過剰摂取による肝臓の炎症や機能低下。
    • ウイルス性肝炎: A型、B型、C型などのウイルス感染による肝臓の炎症。
    • 自己免疫性肝炎: 自分の免疫が誤って肝臓を攻撃してしまう病気。
    • 薬剤性肝障害: 特定の薬の副作用による肝臓の障害。
    • 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH): 脂肪肝が進行し、肝臓に炎症が起きた状態。
  • 胆道の病気: 胆汁の通り道である胆道が詰まったり、炎症が起きたりすることで、肝臓に負担がかかることがあります。
  • 心臓の病気: 急性心不全などで肝臓への血流が悪くなり、一時的にALTが高くなることがあります。
  • 筋肉の病気: 激しい運動や筋肉の損傷によって、わずかにALTが高くなることがあります。
  • その他: 甲状腺機能亢進症、溶血性貧血など、肝臓以外の病気が原因となることもあります。

このように、ALTが高い原因は一つではありません。自己判断せずに、必ず医師の診断を受けるようにしましょう。

4. ALT(GPT)が高いと言われたら、どうすればいい?

血液検査でALTが高いと指摘された場合は、必ず医師の診察を受け、原因を特定することが重要です。

医師は、血液検査の結果だけでなく、問診や他の検査(腹部エコー検査など)を行い、総合的に判断します。

自己判断で放置したり、民間療法に頼ったりするのではなく、医師の指示に従って適切な治療や生活習慣の改善に取り組むようにしましょう。

5. 日常生活でできる対策

医師の指示に基づいた治療と並行して、日常生活でできる対策もいくつかあります。

  • 食生活の改善:
    • バランスの取れた食事を心がけ、特に野菜や果物を積極的に摂りましょう。
    • 高カロリーな食事や糖質、脂質の多い食事は控えめにしましょう。
    • アルコールは適量を守るか、控えるようにしましょう。
    • 甘い飲み物や間食も控えめにしましょう。
  • 適度な運動:
    • ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を定期的に行いましょう。
    • 肥満気味の方は、体重を減らすことも大切です。
  • 禁煙: 喫煙は肝臓にも悪影響を与える可能性があります。
  • 十分な睡眠: 質の高い睡眠を確保し、肝臓の回復を促しましょう。
  • ストレスの軽減: ストレスは肝機能にも影響を与えることがあります。自分なりのリラックス方法を見つけ、ストレスを溜め込まないようにしましょう。

これらの対策は、肝臓だけでなく全身の健康維持にも繋がります。

まとめ

今回は、血液検査の項目「ALT(GPT)」について解説しました。ALTが高い場合は、肝臓がダメージを受けているサインである可能性があり、様々な原因が考えられます。

大切なのは、自己判断せずに医師の診察を受け、適切な診断と治療を受けることです。

また、日々の生活習慣を見直すことも、肝臓の健康を守る上で非常に重要です。

今回の情報が、皆さんの健康管理の一助となれば幸いです。もし、血液検査の結果について不安なことがあれば、遠慮せずに医療機関に相談してください。


【免責事項】

このブログ記事は、一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスを提供するものではありません。ご自身の健康状態については、必ず医師にご相談ください。

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