筋トレに関する神話撲滅シリーズ②~筋トレすると怪我しやすくなる~

筋トレに関する神話撲滅シリーズ②~筋トレすると怪我しやすくなる~

今だ残る筋トレにまつわるある種の偏見。正しい情報を発信し、それを一つづつ撲滅していくのがトレーナーの役目だと思いこのシリーズを行っていきます。

私はアスレチックトレーニングという分野を学びに留学し、様々な種目の学生アスリートと時間を共にしましたが、共通しているのは「どの種目においても一定の筋トレの時間を作り、必ず行う。」ということです。持久系スポーツの陸上長距離でもトライアスロンでもです。

神話② 筋トレするとケガしやすくなる

なぜそう思うのか?

古いタイプの運動部の指導者などを中心に全く根拠がないのに「筋トレは不自然なトレーニングであり、運動パフォーマンスに悪い影響を与える」筋トレにより柔軟性が無くなりケガが増える」と考えている人が多いためだと思われます。

研究ではどうなん?

昔から「障害予防のためにはストレッチを」が常識でしたが、Hartら(2005)やThackerら(2004)の研究によると運動前後のストレッチが劇的にケガを予防するわけではないという結果になりました。そして「神話①筋トレするとカラダが固くなる」でも述べた通り筋トレには筋力だけでなく、柔軟性を向上させる効果があることが分かっています。

また、ランニング障害として頻発するハムストリングスの肉離れは筋肉の付き方アンバランスによってもたらされるという指摘もあります。太腿の後ろの筋肉ですが、太腿の前の筋肉(大腿四頭筋)が強すぎるとハムストリングスの肉離れにつながります。これをQ/H比といい、ハムストリングスの筋力が四頭筋の筋力の50.5%を下回ると怪我が急激に増えます。(Lee, 2017)

実際どうなん?

最近はトップアスリートが積極的に筋トレしている写真や動画をアウトプットしているので、筋トレ不要説も減ってきているように思います。しかし、トップアスリートのなかにも筋トレ不要説を主張する人もいます。

現場の感覚・経験もとても大事だと思います。それらをないがしろにするつもりは全くありません。僕もスポーツの現場でトレーニング指導するときはチームの方針や自分の役割、求められていることを第一に優先しその中で自分ができる事を100%行うことに努めます。

研究で行われている内容はコントロールされた中で行われているのでそのまま現場では使えることはほとんどありません。

新しく筋トレを導入するにしても個人・チームの状況に合わせたトレーニング指導が必要となります。

参考文献

Hart L. Effect of stretching on sport injury risk: a review. Clin J Sport Med. 2005; 15(2):113.

Thacker SB, Glichrist J, Stroup DF, Kimsey CD. The impact of stretching on sports injury risk: a systematic review of the literature. Med Sci Sports Exerc. 2004; 36(3):371-8

Lee JWY, Mok KM, Chan HCK, Yung PSH, Chan KM. Eccentric hamstring strength deficit and poor hamstring-to-quadriceps ratio are risk factors for hamstring strain injury in football: A prospective study of 146 professional players. J Sci Med Sport. 2017;

一日一新

実家の周りをアスレチックにして運動不足解消

今日の子供日記

ずっと家の中にいなくてはいけないというのは子供にとっても大人にとってもストレスです。夫婦喧嘩程度で済めばいいですが、DVとか虐待も起こりやすいということも懸念されているようです。

毎日新聞 外出自粛、DV急増懸念 コロナ影響、相談次々
https://mainichi.jp/articles/20200407/dde/041/040/024000c

散歩やランニングは政府も制限をしておらず、むしろ推奨していますので、上手に取り入れていきましょう!
家筋トレは言うまでもなく!