骨の量が減って、骨の微細構造が劣化したために、骨がもろくなり、骨折を起こしやすくなっている状態のことを言います。男女ともに年齢とともに発症しやすくなり、女性の方が男性よりも発症率が高いです。
原因
閉経、加齢によって骨吸収が骨形成を上回ることによっておこる。女性の骨強度低下の最大の要因は、閉経に伴うエストロゲンの急激な減少です。
症状
- 骨粗鬆症自体は痛みを伴うものではないので、橈骨遠位端骨折、大腿骨頸部骨折、脊椎圧迫骨折、上腕骨頸部骨折、肋骨骨折など骨折を発端に症状を把握することが多い。
- 骨折に伴う疼痛、変形がみられる(円背など)。
診断
- 骨密度測定(DXA法、MD法、QUS法、pQCT法など)
- 骨代謝マーカー測定(尿中、血清NTX、尿中DPD、血清TRACP-5b、血清ucOC、血清BAPなど)骨芽細胞と破骨細胞のバランス状態を骨代謝マーカーで把握します。
- 画像診断:単純X線、CT、MRI、骨シンチグラフィなど。MRIが有効だそうです。
原発性骨粗鬆症の診断
分類
原発性骨粗鬆症
- 閉経後
- 老人性
- 特発性
続発性骨粗鬆症
- 甲状腺機能亢進症
- 性腺機能不全症
- クッシング症候群
- 壊血病
- たんぱく質欠乏
- ビタミンA不足、D過剰
- 骨形成不全症
- マルファン症候群
- 関節リウマチ
- 糖尿病
- 肝疾患
その他
- 骨軟化症
- 副甲状腺機能亢進症
- 悪性腫瘍の骨転移
- 多発性骨腫瘍
- 脊椎血管腫
- 脊椎カリエス
- 可能性脊椎炎
- その他
治療
薬物治療
- 活性型ビタミンD3製剤:Ca吸収促進、骨形成作用など
- カルシウム製剤
- ビスホスホネート製剤:骨吸収抑制作用により骨折を予防する。アレンドロネート、リセドロネートは第一選択薬
- SERM:エストロゲン受容体に結合し、骨には吸収抑制作用を示す
- ビタミンK2製剤:骨形成促進、骨吸収抑制作用がある
- カルシトニン製剤:骨吸収抑制作用をもつ
- 女性ホルモン製剤:強力な骨吸収抑制作用
- 副甲状腺ホルモン製剤
薬剤名 | 骨密度 | 椎体骨折 | 非椎体骨折 | 総合評価 |
アレンドロネート リセドロネート エチドロネート ラロキシフェン塩酸塩 | A A A A | A A B A | A A B B | A A A A |
カルシウム製剤 活性型ビタミンD3製剤 女性ホルモン ビタミンK2製剤 | C B A B | C B A B | C B A B | C B A B |
カルシトニン製剤 イプリフラボン製剤 女性ホルモン製剤 たんぱく同化ホルモン製剤 | B C A C | B C A C | B C A C | B C A C |
整形外科疾患ビジュアルブックより引用
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