「整体やマッサージに行っても、肩こりや腰痛がすぐに戻ってしまう…」とお悩みではありませんか?実はその痛みの原因は、筋肉の柔軟性や筋力不足だけでなく、脳と筋肉のネットワークのエラーである「マッスルインバランス」にあるかもしれません。
リハビリテーションの聖地と言われるチェコで生まれた「ヤンダアプローチ」は、プロのアスリートから姿勢改善を望む一般の方まで、世界中で支持されている運動療法です。
ここ福岡市中央区でも、単に重いものを持ち上げるだけのトレーニングではなく、こうした医学的根拠に基づいたアプローチを重視するパーソナルジムが注目を集めています。今回は、ヤンダアプローチのバイブルとも言える名著『ヤンダアプローチ マッスルインバランスに対する評価と治療』(小倉秀子先生監訳)の内容を紐解きながら、一生モノの正しい体の使い方について解説します。
1. ヤンダアプローチの核心:構造的アプローチ vs 機能的アプローチ
従来のリハビリテーションは、損傷した組織(筋肉の断裂や関節の変形など)に焦点を当てる「構造的アプローチ」が主流でした。しかし、ヤンダ博士は**「機能的アプローチ」**を重視しました。
これは、痛みや不調の原因を「構造の破壊」ではなく、**「感覚運動システム(神経系と筋肉系の相互作用)の機能不全」**にあると考える視点です。
ポイント: 膝が痛いからといって膝だけを診るのではなく、なぜ膝に負担がかかるような動きのパターンになっているのかを、神経系の制御レベルで紐解いていきます。
2. 筋肉のアンバランスと「相反抑制」
ヤンダアプローチを理解する上で欠かせないのが、筋肉の性質を2つのグループに分ける考え方です。
- 緊張しやすい筋肉(強直性:Tonic muscle) 保持や姿勢維持に関わり、短縮・緊張しやすい(例:ハムストリングス、腸腰筋、大胸筋)。
- 弱化しやすい筋肉(相性:Phasic muscle) 動きを作り出す役割を持ち、抑制・弱化しやすい(例:臀筋群、腹筋群、前鋸筋)。
これらが対になって「筋肉のアンバランス」を引き起こします。例えば、腸腰筋(緊張側)が硬くなると、その裏側にある大臀筋(弱化側)が神経的に働きにくくなる**「相反抑制」**が起こり、姿勢が崩れていくのです。
3. 3つの代表的な姿勢パターン(Janda’s Syndromes)
ヤンダ博士は、筋肉のアンバランスが特定のパターンで現れることを発見し、以下の3つに分類しました。
① 上位交差症候群 (Upper Crossed Syndrome: UCS)
デスクワークなどで見られる典型的な「猫背・巻き肩」のパターンです。
- 緊張: 大胸筋、僧帽筋上部、肩甲挙筋
- 弱化: 頸部深層屈筋、僧帽筋中部・下部、前鋸筋
② 下位交差症候群 (Lower Crossed Syndrome: LCS)
反り腰や骨盤前傾が特徴的なパターンです。
- 緊張: 腸腰筋、脊柱起立筋
- 弱化: 腹筋群、大臀筋
③ 層状症候群 (Layer Syndrome)
上記が組み合わさり、背面の筋肉が「硬い・弱い・硬い」と層状に並ぶ、より複雑で慢性的な状態です。
4. 感覚運動システムへの介入
ヤンダアプローチの治療戦略は、単なる筋トレではありません。Phil Page氏らの著書でも強調されている通り、以下の3つのステップが基本となります。
- 軟部組織の正常化: まずは過緊張している筋肉をストレッチや徒手療法で緩めます。
- 筋バランスの再構築: 弱化している筋肉を活性化させ、正しい運動パターンを再学習させます。
- 感覚運動トレーニング: バランスボードなどを用い、足底や頸部からの固有受容感覚を刺激して、脳が自動的に正しい姿勢を制御できるように訓練します。
5. まとめ:なぜ今、ヤンダアプローチなのか
ヤンダアプローチの核心は、単に「筋肉を鍛える」のではなく「脳が筋肉を制御するシステムを再構築する」ことにあります。自分自身の姿勢パターン(上位・下位交差症候群)を知り、正しい順序でアプローチすることで、長年の悩みだった不調から解放される可能性は十分にあります。
もしあなたが、福岡市中央区で「ただ痩せるだけでなく、根本的な姿勢改善や痛みのない体作りをしたい」と考えているなら、こうした機能的な評価を行ってくれるパーソナルジムを選んでみるのが近道です。
プロの視点でマッスルインバランスを整え、あなた自身の「感覚運動システム」をリセットしてみませんか?正しい知識とトレーニングの組み合わせが、あなたの健康寿命を大きく変えてくれるはずです。
【参考文献】 [1] Phil Page, Clare C. Frank, Robert Lardner(著), 小倉秀子, 坂元大海(監訳): 『ヤンダアプローチ マッスルインバランスに対する評価と治療』, 三輪書店, 2011.
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